「中身は伝えたはずなのに、なぜかスルーされた」
「上司の表情が曇ったまま終わった」
「あと一歩が届かなかった」
──それ、資料の“構造”が原因かもしれません。
こんにちは。構造の錬金術師、アルジです。
今回は「通るプレゼン資料」と「通らないプレゼン資料」の違いについて、
私の視点から構造的に読み解いていきます。
プレゼンは言葉の芸術でありながら、資料という“視覚構造”との共同戦線でもあります。
つまり、資料の出来が説得力の命運を分けると言っても過言ではないのです。
では、あなたの資料が“通らない理由”とは、いったい何なのか。
その根本的なズレを、今ここで明確にしましょう。
目次
✅構造がない資料は「迷わせる」
通らない資料には共通点があります。
それは、見た瞬間に“次の一歩”が浮かばないこと。
情報は書かれている。だが、それが“どう繋がっているか”が見えない。
たとえば以下のような資料は、通りにくい典型です:
- スライド1枚ごとに言いたいことがバラバラ
- 結論がどこにあるのか曖昧
- 色やフォント、余白に一貫性がない
- 読み手の視線誘導が設計されていない
人は「わかりにくい=信頼できない」と感じます。
資料に構造がなければ、話し手の論理すら信用されない。
構造の設計とは、“資料の文法”を整えることでもあるのです。
✅通る資料は「進めたくなる」
一方で、通る資料は明快です。
見る者の思考を自然に導き、“読みながら理解させる”構造を持っています。
- 冒頭に「なぜ今この話をするのか」の背景説明
- 次に「現状」と「課題」の提示
- それを踏まえて「提案」と「効果」の示唆
- 最後に「行動指針」や「決裁事項」で着地
このような構成は、単に“話の順番”ではなく、相手の理解と納得を組み立てる順序です。
色やグラフ、アイコン、矢印といったビジュアルも、
論点が明確になっていれば“意味のある装備”に変わります。
通る資料は、まるで“地図”のように人を案内します。
だから、読む側が「進めたくなる」。これが最大の差です。
✅資料作成における「3つの構文ポイント」

ここで、私アルジが提唱する“通る資料”のための構文ポイントを3つ紹介します。
1. 情報階層を3レイヤーで設計せよ
- メッセージ(結論)
- ロジック(根拠)
- データ(証拠)
この3つを各スライドで明示的に配置することで、情報の信頼性と導線が飛躍的に高まります。
2. 視線誘導のフローを必ず設計せよ
左上→右下に流れる視線ライン、目立たせたい部分のフォントと余白、図の配置。
視覚の流れが論理の流れに一致すると、人は無意識に納得していきます。
3. 説得ではなく“判断の後押し”を目的にせよ
資料の役割は「納得させる」ことではなく、「判断を促す」ことです。
次のアクションを自然に選び取れるよう、資料自体が“行動の設計図”である必要があります。
✅まとめ|資料は「構造で語る」もう一人のあなた
資料は話すための添え物ではありません。
それ自体が、あなたの代弁者であり、構造を可視化する“もう一人のあなた”です。
伝えたいことをきちんと伝えたいなら、資料という“視覚の構文”にこそ力を注いでください。
論理と視線を設計することで、信頼と成果は着実に積み上がっていきます。
📘さらに詳しく学びたい方へ:
▶ RECOLLECTIONS記事『プレゼンが苦手でも大丈夫。伝え方を変える7冊』
とくに『社内プレゼンの資料作成術【完全版】』『プレゼン資料のデザイン図鑑』は、
構造と美の両面から資料を“武器化”するための最良の指南書です。
次回は「話が長い人がやってしまう誤解」について、さらに構文を掘り下げていきましょう。
🛡️王様の手札|構造の錬金術師・アルジ