「奨学金を借りた方がいいかな…」
「親に頼るのが申し訳ない…」
そんなふうに、気を使いすぎてしまう高校生がいます。
誰かに迷惑をかけたくない、負担になりたくない──
そのやさしさの裏側にあるのは、自立したい気持ちかもしれません。
この記事では、「申し訳なさ」の正体を見つめ直し、
それを行動や設計に変えるヒントを一緒に探していきます。
誰かの負担にならずに、
でもひとりで抱え込まずに進むために。
目次
申し訳なさの正体とは「自立の芽」
「学費を出してもらうのが申し訳ない」
──そう感じるのは、悪いことではありません。
むしろそれは、あなたがすでに自立の入り口に立っている証拠です。
小学生や中学生の頃は、
誰かに支えてもらうのが当たり前だったかもしれません。
でも、高校生になって視野が広がると、
「自分の人生に、自分で責任を持ちたい」と思う瞬間が増えてきます。
その結果、「親に出してもらうのは甘えじゃないか」と考え始める。
それが申し訳なさとして現れるのです。
しかし大切なのは、
その気持ちを「負い目」ではなく「動力」に変えること。
やさしさも、自立心も、
誰かを思いやる気持ちも──
すべては「これからの人生を、自分で選びたい」という芽なのです。
「申し訳ないから全部ひとりで頑張らなきゃ」と背負い込むのではなく、
その芽をどう育て、どんな形で未来に繋げるか。
それこそが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
学費の見える化が心を軽くする
「申し訳ない」と感じるとき、
それは見えない不安が原因になっていることが多いです。
たとえば──
- 大学っていくらかかるのか、具体的にはわからない
- 親がどうやって払っているのか、聞いたことがない
- 家計の状況もよく知らない
そんなぼんやりした想像が、
申し訳なさを必要以上に大きくしていることがあります。
だからこそまずは、金額と仕組みを「見える化」すること。
それが、気持ちを整える第一歩になります。
大学費用の内訳をざっくり知ると…
大学の学費は、国公立と私立で大きく違います。
【文系・私立大学】なら、
4年間で平均500〜600万円ほど必要と言われています。
(授業料・入学金・施設費などを含む)
この金額を「全部親が出してる」のか、
「奨学金やバイトも組み合わせている」のか、
家庭によってケースはさまざまです。
誰がどこまで負担しているのか?
たとえば、親が「学費は出すけど生活費は自分で」と考えていたり、
「初年度だけ支援するつもり」だったりすることも。
あなた自身が「親の考えを想像して不安になる」よりも、
事実を知ることの方が、ずっと心を軽くします。
「自分で全部払わなきゃ」というプレッシャーを抱える前に、
まずは一度、学費と家族の意向を見える化してみましょう。
そこから「じゃあ、自分はどうしたいか」が考えやすくなります。
「感謝」を行動に変える方法
「申し訳ない」と思う気持ちは、
実は、「ありがとう」と伝えたい気持ちの裏返しです。
ただ、照れや距離感があって、
口に出して感謝を伝えるのが難しい人も多いはず。
そこでおすすめしたいのが、
感謝の気持ちを行動に変えることです。
勉強という「結果」で返す
もし「親に出してもらうのが申し訳ない」と思うなら、
そのお金を無駄にしない行動が、最大の感謝になります。
・単位をしっかり取る
・興味のある分野を深掘りする
・進路について真剣に考える
そんな見える努力があるだけで、
親は安心しやすくなります。
バイトで少しでも生活を支える
「全額自分で払うのは無理でも、何かできることはある」
そう思えるなら、生活費の一部をバイトで賄うのもひとつの方法です。
・教科書代を自分で出す
・通学定期やスマホ代だけでも負担する
ほんの少しでも「自分でやる」という気持ちが、
罪悪感を減らし、気持ちを軽くしてくれます。
進路への覚悟を持つ
将来、どんな仕事に就きたいか、
どんな生き方をしたいか。
そのビジョンを持とうとすること自体が、誠実な姿勢です。
「なんとなく進学」ではなく、
「この分野に挑戦したいから大学に行く」
そんな意志があるだけで、
支援する側の気持ちは大きく変わります。
「感謝しています」ではなく、
「だからこう動いています」と示せる人は、
すでに自立に向かって歩き始めているのです。
親子間の会話ギャップをどう埋める?
「親に感謝はしているけど、ちゃんと伝えられていない」
「自分の気持ちを言うと、反対されたり、話がズレる気がする」
──そんなふうに、親との会話にズレを感じたことはありませんか?
この会話ギャップは、
育った時代・環境・価値観の違いから生まれることが多く、
決してあなたのせいでも、親のせいでもありません。
親の「心配」を「否定」と受け取らない
たとえばあなたが「奨学金を借りたい」と言ったときに、
親が反対するのは「甘えてほしい」という気持ちの表れかもしれません。
でも、その言葉が
「自立しようとする気持ちを否定された」と感じてしまうこともあるでしょう。
そんなときは、「心配してくれてるんだ」と一歩引いて見ることで、
感情の衝突を避けられます。
「理解してほしいこと」を最初に伝える
会話が噛み合わないときは、
話す前に「今日はこういう気持ちで話したい」と前置きするのが効果的です。
たとえば:
「今、学費のことで気持ちが整理できなくて…。
まずはわたしの考えを聞いてほしい」
この一言があるだけで、
意見を戦わせる場ではなく、気持ちを共有する場に変わります。
正解は「話し合える関係をつくること」
親子の関係において、
すべてを分かり合うことは難しいかもしれません。
でも、「この子はちゃんと考えてる」と思ってもらえれば、
対話の扉は必ず開きます。
相手を変えようとせず、
まずは自分のスタンスを丁寧に示すこと。
それが、親子の誤解の壁を少しずつ溶かしていく鍵になります。
奨学金・制度・支援を使いこなす
「親に頼らず、なんとか自分で学費を…」
そう思ったとき、知っておいてほしいのが、制度や支援の選択肢です。
いまの日本には、家庭の経済状況や本人の意思に応じて、
多様な支援制度が用意されています。
奨学金は「借金」ではなく「投資」
「奨学金=借金」と考えると、重く感じるかもしれません。
でも見方を変えれば、未来の自分への自己投資でもあります。
特に【給付型】や【返済不要の支援金】など、
負担の少ない選択肢も増えてきています。
📌たとえば:
・日本学生支援機構(JASSO)
・各大学独自の奨学金制度
・地方自治体やNPOによる教育支援金 など
知っている人だけが、受けられる支援
支援制度の多くは「自分で調べて申し込む」必要があります。
裏を返せば、「知っている人だけが助けられる世界」ともいえます。
「奨学金って何?」と思った今が、調べどきです。
学校の先生、進路室、地域のサポート団体──
一人で抱えず、「聞ける場」にアクセスする勇気を持ってください。
制度は「甘え」ではなく「活用」
支援制度の利用を、「甘え」と感じてしまうかもしれません。
でもそれは、社会が用意したあなたの可能性を後押しする仕組みです。
苦しさを隠して踏ん張るより、
うまく助けを借りながら、自分の未来を切り開くこと。
それこそが、真の自立に繋がっていくのだと、わたしは思います。
まとめ|申し訳なさを「原動力」に。
その気持ちは、ちゃんと力に変えられる。
「親に迷惑をかけたくない」
「頼りすぎてる気がする」
そんな気持ちを抱いているあなたは、
すでに人の支えに気づける優しさと、先を見据える自立心を持っています。
でも、申し訳なさに飲み込まれて、
進学や学びのチャンスを諦めてしまうのはもったいない。
大切なのは、「どう返すか」「どう活かすか」です。
学費を払ってもらうことも、
奨学金を借りることも、
制度に頼ることも──
すべては、自分の人生を自分で歩くための手段にすぎません。
そして、その中で生まれた「感謝」や「申し訳なさ」は、
あなたの行動や未来に、ちゃんと形として残せるものです。
その気持ちがある限り、大丈夫。
あなたは、ちゃんと前に進んでいけます。





