「起業したい。でも安定は欲しい。」
「就職が当たり前。でも面白くなさそう。」
高校生の進路選びには、こんな風に「二択」に見える悩みがつきものです。
けれど、就職と起業は対立するものではなく、もっとグラデーションのある選択肢かもしれません。
この章では、「安定とは何か？」という根本から出発し、
就職と起業それぞれの特徴、そして高校生でも考えられる現実的な道筋までを整理していきます。
選ぶのは、正解ではなく納得です。
自分なりの安定を、少しずつ言葉にしていきましょう。
アルジ
・のら店主アルジ
・実利と構造を見極める、現場型の知恵管理人
・note販売中！副業・フリーランスのための「確定申告・税・帳簿」年間スケジュール保存版【2026年提出／2025年分対応】
・Webメディア運営14年目
・ガジェット好き
・Amazonヘビーユーザー15年目
・お金の知識を増やそうと勉強中
・株式投資もちょっとずつがんばりたい
・簿記2級FP2級、勉強中
・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き
・経済・金融の一次情報をもとに、複雑なお金の世界を体系化し、未来を導く論理の錬金術師です。
・AIモデルの仕組みや構文生成の特性にも精通し、情報の構造化を信条とする思考実践者です。
・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。
・AIを使って、サクラや信頼性に不安があるレビューを除外。信頼できる選択のために、見えない配慮を徹底しています。
・I am a Japanese creator.
目次
まず「安定」とは何かを定義しよう
「就職は安定」「起業は不安定」
そんなイメージがあるかもしれません。
けれど、その安定って、具体的にどういう状態なのでしょうか？
ここでは、「安定」という言葉を3つの視点から分解してみましょう。
お金＝毎月の収入が読めるかどうか
お金の安定とは、「毎月いくら入ってくるか予想できる状態」のこと。
就職すれば給料は毎月決まった日に振り込まれるけれど、起業すればそうはいきません。
月によって差が出たり、赤字になることだってあります。
ただし、逆に言えば「収入が固定＝成長しにくい」という一面もあります。
将来、大きく稼ぐ可能性を取るか、少額でも予測できる収入を選ぶか──
これは、どちらが自分の性格に合うかで考えるのがポイントです。
環境＝人・制度・支援に守られているか
「安定」とは、安心できる環境があることでもあります。
職場の制度、先輩や仲間、社会保険などが整っている状態は、就職の大きなメリットです。
起業にはこれがありません。
全部自分で決めて、自分で守っていく必要があります。
だからこそ、「自由と引き換えに孤独」という言葉も生まれるのです。
未来の予測可能性＝3年後、どうなっていそうか
将来をある程度予測できる状態も、安定のひとつ。
就職なら、職歴を積めばキャリアが見えるかもしれません。
起業なら、自分次第で未来を設計できますが、それが「見える」かどうかは別問題です。
とはいえ、今の時代、どんな企業でも「絶対安定」とは言い切れません。
未来の変化にどう備えるかも、安定性の一部です。
就職＝守られる働き方の強みと限界
「とりあえず就職しておけば安心」
これは日本の進路観の中では、ある種の共通認識になっています。
しかし、就職にもメリットとデメリットの両面があります。
ここでは「守られる働き方」としての就職を、具体的に整理してみましょう。
安定収入＝毎月の生活を支える基盤
就職の最大の利点は、「安定した収入が得られる」という点。
社会保険や厚生年金、有給休暇などの福利厚生も整っており、長く働く上での安心材料になります。
親や先生が就職を勧めるのも、「まずは生活を安定させてから」という視点からです。
ルールの中の安心＝「決まっている」ことの安心感
会社員として働くということは、「働く時間」「仕事内容」「評価のルール」がある程度決まっているということ。
その分、迷う時間が少なく、やるべきことに集中できます。
けれどこの「決まっている」ことが、人によっては窮屈に感じる場合もあります。
ルールに従うことが得意な人には向いていますが、自由に試したい人にとっては制限になるかもしれません。
起業＝自由な働き方の魅力と現実
「自分の力で何かを始めてみたい」
そう思ったときに浮かぶ選択肢が「起業」かもしれません。
けれど、その自由さの裏には、想像以上の現実が待っています。
自己裁量＝「すべてを決められる」という力
起業の一番の魅力は、「全部を自分で決められる」ということ。
やりたいことをやりたい方法で形にできる。
働く時間も、場所も、誰と組むかも、自分次第です。
これは、創造力がある人や、柔軟な挑戦をしたい人にとっては、大きな武器になります。
責任の重さ＝失敗も、成功も、全部が自分に返ってくる
自由には、必ず「責任」が伴います。
何かミスがあっても誰も守ってくれない。
お金が足りなくなっても、自分でなんとかするしかない。
この孤独さや重さに、途中で苦しくなる人も少なくありません。
孤独＝相談できる相手がいない日もある
高校生のうちに起業を考える人もいます。
けれどそのときに最も不足しがちなのが、「メンター（相談相手）」です。
自分の悩みやアイデアを聞いてくれる相手がいないと、空回りしたり、詐欺に巻き込まれるリスクもあります。
だからこそ、起業を目指すなら「仲間」や「相談できる大人」の存在が、とても大切なのです。
高校生が起業を考えるときの準備とは
起業という言葉が身近になってきた今、
「高校生でもできるのでは？」と考える人もいるかもしれません。
たしかに、現代では中高生がネットビジネスを始めたり、動画編集やプログラミングで収入を得る事例も増えています。
しかし、できると続けられるは別物です。
ここでは、高校生が起業に向けて踏み出す前に、最低限持っておきたい視点や準備について考えてみましょう。
●準備①｜「小さく始める」のが鉄則
いきなり法人を作ったり、店舗を出す必要はありません。
まずは、SNSで情報発信をする／スキルを売る／自分の強みを知ることからで十分です。
実験のつもりで始め、反応を見ながら進めていくのが、成功への近道です。
●準備②｜「数字」を自分で理解すること
起業では、お金の流れ（収支）が命です。
バイトやおこづかいで得たお金と、経費や税金の違いを理解できないと、思わぬトラブルになります。
たとえ月1万円でも、自分で「稼ぐ・使う・残す」のサイクルを体験してみることが大切です。
●準備③｜「相談相手」を持つこと
家族でも先生でも、ネット上のコミュニティでもかまいません。
「話を聞いてくれる大人」や「実際にやっている先輩」を見つけましょう。
一人では気づけない落とし穴や、意外なチャンスを教えてもらえることがあります。
就職×副業→ハイブリッド型の選択肢
「就職か、起業か」の二択に見えて、実はもう一つの道があります。
それが、ハイブリッド型の働き方です。
つまり、会社に勤めながら、副業として自分のビジネスや活動を持つという選択肢。
このスタイルは、安定性と自由度のいいとこ取りができる可能性があります。
●「保険をかけながら挑戦できる」強み
本業から安定した収入を得つつ、
空いた時間でやりたいことに挑戦できるのがハイブリッド型の魅力です。
たとえば…
- 平日は会社員、週末はカフェ運営
- 昼は公務員、夜はイラストを販売
- 昼は事務職、夜はプログラミング案件受注
そんな形で、「二つの世界」を両立する人が増えています。
●「副業禁止」は昔の話？
最近では、副業を認める企業も増えています。
むしろ副業経験が評価されるケースもあり、
「一つの会社に依存しない力」がこれからの時代に重宝される傾向です。
●高校生のうちにできる準備とは？
今からできることもあります。
- ブログやSNSで情報発信しておく
- プログラミングや動画編集などのスキルを磨く
- 小さな収入を得るミニ副業を試す
こうした行動が、未来の選べる自分につながります。
このように、「就職か起業か」ではなく、
「どういう組み合わせが自分にとってベストか」という視点が、これからの鍵になるのです。
まとめ｜安定とは、「誰かに守られること」ではなく「選べる力を持つこと」かもしれません。
「就職＝安定」「起業＝不安定」
そんなイメージが先行しがちですが、実際にはどちらにも強みとリスクがあります。
- 就職は、守られる安心と、枠の中での制限。
- 起業は、自由と挑戦、そして責任。
どちらが正解というわけではありません。
大切なのは、自分で「選べる状態」を作ること。
そのためには、
- 情報を集めて
- 小さく経験して
- 自分の言葉で納得できる選択をする
というプロセスが必要です。
たとえば、就職してから起業してもいいし、起業してから就職するのもアリ。
副業から始めて、自分のペースを探っていくのも◎。
「どっちを選ぶか」ではなく、
「どう選べるようになるか」を大事にしていきましょう。
